「お前は聖女ではない。ただ一人の男に執着し、死ぬことすらできない怪物だ」
王城の地下深く。
光の届かない牢獄で、ルルはそう呼ばれた。
彼女の正体は、国を支える「真の聖女」。
だが、愛する英雄・ヘリオス王を救うために**【死に戻りのループ】**を繰り返した代償で、彼女の体は傷ひとつ残らない「死ねない身体」になっていた。
何百回繰り返しても、彼は死に、自分は怪物として生き残る。
心をすり減らしたルルは、今回を最後のループにすることを決断する。
「もう、祈るのはやめよう」
「私が関わるから、彼は不幸になるんだわ」
ルルは国を守る結界を解き、静かに消えることを選んだ。
夢の中で、少女の姿で彼に「別れの助言」だけを残して。
――しかし、彼女は知らなかった。
彼女が祈りを止めた途端、地上では「偽の聖女」の化けの皮が剥がれ、嘘が暴かれ始めたことを。
そして、夢の中の少女が自分を救ってくれていたことに気づいたヘリオス王が、なりふり構わず自分を探していることを。
「見つけた。君だったのか、俺をずっと守ってくれていたのは」
「……どうして?
私は怪物ですよ?」
これは、心殺した「死ねない怪物」が、不器用な太陽の王に愛され、人間として幸せになるまでの物語。