<ひと言あらすじ>
時魔法の才を持ちながらそれを隠すネネユノと、その才を見出した生真面目騎士団長が互いに相手を振り回しながら、大切なものをさがしに行く話。
<普通にあらすじ>
「んじゃ、見ててくださいね」
ネネユノは時魔導士だ。だから即死じゃなければなんでも回復できる自信がある。
だって治すんじゃない。時間を戻すのだから。
ある日、回復役であるネネユノ・ネネカバナはパーティーを追放された。
装備もお金も巻き上げられて放り出された彼女が出会ったのは、国王直属のエリート集団「月侯騎士団」の団長ファヴ・ファレス。緊急で回復役を探しているらしい。
チャンスとばかりに名乗りをあげたネネユノに告げられたのは「ほしい人材はランクB以上だ」という無情な言葉。
確かにネネユノはCランクだ。だけど、ここは譲れない。お金を貯めて行方の知れない両親を捜すと決めたのだ。それに、回復に関して高ランクヒーラーに後れを取るとも思わない。
ネネユノは腕まくりをして立ち上がり、右手に持つ懐中時計の蓋をパチリと閉めた──