孤児院の前に捨てられたマロンを拾って育ててくれたのは、貴族の家庭教師として生きて来たおばあ様だった。
侍女兼家庭教師として長年勤めあげたおばあ様は王都のはずれの街に終の棲家を持った。そこにマロンが加わった。
おばあ様は根っからの貴族令嬢だった。市井で生きていくのは難しいけど、マロンと共に新しい生活を始めた。
マロンの逞しく、明るい性格はおばあさまの心の糧になっていた。
マロンは貴族の家庭教師をしていたおばあさまの教育を受け、平民なのに貴族令嬢の様な知識を蓄えていく。いつかこれが役立つか分からないが、マロンはおばあ様を養える女性になると心に誓っていた。
ある日マロンは毛玉「ケサランパサラン」と出会った。毛玉を人生の友としてマロンは人や人外との出会いを大切にして成長していく。