陸上自衛隊・第一普通科連隊のレンジャー訓練。
選抜を勝ち抜いた25名の隊員たちは、過酷な行動訓練の最終段階──夜間強行偵察に臨んでいた。
夜が明けても、見慣れた地形はどこにもなかった。
装備は無事、だが地図が通用しない。道路も、送電線も、集落の様子も現代とは違う。
まるでボロボロに着古された着物のような装いの農民たち
食糧と弾薬は限られ、冬将軍の気配が忍びよる。
通信機は沈黙し、救援は望めない。
やがて判明するのは、彼らが立つのは**十五世紀・戦国黎明の時代**――国家という概念すら曖昧な群雄割拠の世界だった。
そして、現代の倫理と中世の残酷な現実の狭間で、佐久間は決断を迫られる。
「俺たちは何を守るために戦うのか――」