舞台は高度な文明を持つ企業国家。
各組織が強大な影響力を持ち、五十に分割されたセクターはそれぞれ独自の特色を持つ組織によって管理されている。国は異星人との宇宙戦争の真っ只中にあり、異星人の兵器によって「不審死」という新たな現象がもたらされていた。人体発火、無傷での突然死、爆発──その死に様は多岐にわたり、住民が異形化するという噂さえも広まっている。戦争初期には国内が混乱に陥ったが、今ではその影響も自然災害の一種として受け入れられるようになっていた。
非日常が日常となったこの世界で、学生のアキは平穏に暮らしていた。
しかし、ある日学校から帰宅すると、家族が傷ひとつないまま亡くなっていた。不審死によって家も家族も失ったアキは、やがて貧民街へと追いやられる。途方に暮れ、財産も失い、未来が見えない状況にあった彼女に一人の女性が声をかけてくる。彼女はある大企業の職員で記録係のアルバイトを探しているという。
衣食住が保証され、高給も約束されたその仕事には、「正しい死因以外では死なない再生能力」という特典まで付いていて……。
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・舞台は現代寄り近未来SFに程近いです
・大体舞台は一室、二人の登場人物の交流だけで話が進みます
・上記の形式上、何処から読んでも基本的には問題無いです