二千年の昔
世界の土は生き物の食べ物を腐らせる土となった。
世界の空気は生き物の心と身体を満たさなくなった。
世界の水は生き物の喉を潤さなくなった。
憐れに思った女神マイアと周囲の神々は、『魔導具』を創り出した。
それは、土を蘇らせ、空気を浄化し、水を清浄に変えた。
『神代の魔導具』
人の手では再現出来ない神の与えし道具。
火を噴く山を鎮め、荒れる海を穏やかにし、
凍った森を温め、荒れた地に植物を繁茂させ、
砂漠に水を集め、腐った土地を蘇らせた。
それは、人々が住める大地を創り出した。
絶望の中、方舟で彷徨っていた生き物達に希望が与えられた。
救世の女神マイア
彼女を最高神と崇める、神授国家マイア聖教国
教皇直属の諜報・暗殺・工作部隊がある。
トゥーバ・アポストロ
通称『笛の使徒』
『笛の一員』、『笛』等と隠して呼ばれている特殊部隊。
所属するひとりひとりが、何かしらのスペシャリスト。
特異な能力を持つ者達。
そこに所属する、子供達が居た。
明晰な頭脳を持ち、時代を超越した魔導具を創り出す魔導具士の少女。
クラウディア=ガラティエ=ヨーク
12歳
失感情症だが、雷光の魔力を持つギフテッドの少年。
デミトリクス=トニトルス=ヨーク
11歳
クラウディアの親友、そして暗殺と工作を得意とする少女。
ジェシカ=パシス=バルト
12歳
クラウディア達より更に幼いが、暴風を起こすギフテッドの少女。
ルナメリア=クストゥス=キベレ
9歳
ルナメリアの供回り
妖精パックと、メイドのサリー
そして暗部の仲間達。
時折舞い込む教皇の依頼や数々の問題を、合法・非合法の手段問わず利用して、秘密裏に解決する。
時代を超越する魔導具を創り出す魔導具士クラウディア。
彼女に関わってくる『神代の魔導具』と、その解析者達。
魔人や魔女達の目的。
人々が忘れた『太古の世界』。
『神代の魔導具』とクラウディア達の抱える秘密。
政争と調略、魔導具と魔術を使い、争う者達の物語。