「――昨日、彼氏ができたんだよね」
「え」
ある日の朝。
いつものように幼馴染の東雲(しののめ)小夏(こなつ)と登校していた真田(さなだ)信二郎(しんじろう)は、なんの前触れもなく脳を破壊されてしまう。
幼馴染が好きだったと気づいてももう遅い? 彼氏がいる子を好きになってはいけない?
――んなこと誰が決めたんだッッ!!
なんて強がれもせず脳が破壊されたことをクラスメイトに話したら、なぜか幼馴染の彼氏の幼馴染にまで話が伝わってしまい、その先輩からとある計画を持ちかけられることに。
「ふたりは本当に付き合っているのかな? だってそれってふたりが勝手に言ってるだけよね?」
「え? なに言ってんの、お前……」
「お前って言うなし! あたし先輩ですし!?」
そして、同じく脳が壊れてしまった久住(くずみ)春乃(はるの)は言う。
「目には目を歯には歯を、脳破壊には脳破壊を! 嫉妬には嫉妬を! 破壊による再生こそが恋愛革新であり、これなくして我々に明日はないのです!」
「そうだったんですか! 明日はないんですか、俺に!」
「いえす。故にさぁ、真田後輩! 今ここから始めましょう、あたしとキミの生存戦略を!」
――こじらせハイテンションラブコメ、開幕。