「お前のような地味で華がない無能は、我が国の宮廷錬金術師に相応しくない!
今日限りでクビだ!」
騎士団の武器の特殊効果や、国中の結界魔導具を毎日ふらふらになりながら一人で作り続けてきた私、リーゼ。
それなのに、無能な婚約者の第一王子から告げられたのは、あまりにも理不尽な解雇宣告だった。
私の手柄はすべて「可愛いだけ」の従姉妹のものにされ、一族からも見捨てられた私は、着の身着のままで国を追放されることに。
「これからは私が作った魔導具の維持する魔力は、一切そちらに供給しませんので」
そう言い残して核を回収し、国境を越えた私を待っていたのは──「冷静沈着な合理主義者」と恐れられる、隣国の魔導帝国の若き皇帝・アルベルト陛下だった。
私の才能を昔から知っていたという陛下に拾われ、路頭に迷うところだった私に用意されたのは……まさかの、国家予算レベルの超豪華な個人工房と、過保護すぎるほどの超・溺愛!?
「リーゼ、君の技術は本当に……世界を揺るがしかねないな。私の国で好きなだけ研究してくれて構わない、と言いたいところだが、まずは健康状態を戻そうか」
見たこともない最高級の素材に、美味しい食事。極めつけは、毎晩のように工房へ差し入れを持ってやってくる陛下の、独占欲全開な眼鏡越しの熱い眼差し。
冷徹なんて嘘ばかり。私の前で見せる彼は、私を自分のものにしたくてたまらないスパダリだったのです!
一方、リーゼと魔力の核を失った祖国では、国中の魔導具がただのガラクタやただの鉄くずに変わり、防衛結界が消滅して大パニックに陥っていた。
「お願いだリーゼ、戻ってきて魔導具を直してくれ!」と今さら泣きついてくる元婚約者。
だけどもう知りません。
皆さんで、なんとかしてください。