「お前のような、帳簿をつけるだけの無能は不要だ!」
聖女リゼットは、王国が贅沢に使い込む魔法の代償を、固有スキル【魔力会計】で一人密かに肩代わりし続けてきた。そのせいで体はボロボロ、顔色も悪く、周囲からは「魔法一つ使えない無能」と蔑まれる日々。ついに婚約者の第一王子から婚約破棄と国外追放を突きつけられたが、リゼットは内心でガッツポーズを決める。「——承知いたしました。では、これまでの肩代わり契約、本日24時をもって解除いたします」
24時を回った瞬間、他人の借金から解放されたリゼットは、本来の美貌と圧倒的な魔力を取り戻す。そんな彼女を拾ったのは、超合理主義者の隣国エルディア王・アルリックだった。「君のような『世界の管理者』を捨てるとは、あの国は正気か?」
リゼットは隣国で世界初の『魔力銀行』を設立。誠実な平民を支援し、傲慢な貴族の与信枠を凍結する破産管財人としてホワイトな職場で無双を開始する。
一方で、管理者を失った旧王国では、魔法を使うたびに赤い【支払い督促】のウィンドウが出現し、ついには「若さ」や「美貌」まで差し押さえられ始めて——!?
「今さら戻れと言われても困ります。お客様の信用ランクは『破綻先』。速やかに自己破産してくださいませ」