「お前の眠りは私の輝きを鈍らせる」——そう罵られ婚約破棄されたセレネは、何百日も眠れぬ「死神辺境伯」ルキウスのもとへ追放される。誰もが恐れる死神は、けれどセレネの隣でだけ、初めて穏やかに眠り落ちた。
二人の力が重なった夜、眠れぬ荒野に安らかな夜が戻り、やがて月光と豊穣の「夢見の都」へと変わっていく。一方、彼女を捨てた王都は、眠りを失い悪夢に沈んでいって——。
「眠りを返せ」と頭を下げに来る元婚約者。けれど、もう遅い。私の隣には、世界で一番ひたむきな死神がいるのだから。
疎まれた力が、たった一人の救いになる。与える魔法(安息)の溺愛逆転ファンタジー。