フィルモル王国の春の舞踏会。
貴族たちが未来の伴侶を探し、華やかな音楽と笑顔に包まれる社交界で、一人の銀髪の美女は王宮特製ミルフィーユに夢中になっていた。
ところが突然、侯爵令息ガレットンから「浮気したな!」と身に覚えのない罪を着せられ、その場で婚約破棄を宣言されてしまう。
しかし美女はまったく動揺しない。
「ミルフィーユが美味しいわ」
周囲が騒然とする中、本人はスイーツを楽しむばかり。
やがて本物の婚約者が現れたことで、ガレットンが人違いをしていたことが判明する。
さらに彼が婚約破棄した相手は、ただの令嬢ではなかった。
国王ですら敬意を払う大物に対する無礼だったのである。
確認もせず暴走したガレットンは、婚約者との縁談を失い、次期当主の座まで剥奪されてしまう。
一方、騒動の中心にいた銀髪の美女はどこ吹く風。
彼女にとって大事なのは謝罪でも名誉でもなく、限定スイーツを食べ逃さないことだった。
そして最後に明かされる彼女の正体に、会場中が驚愕する――。
勘違い婚約破棄で自滅する愚かな侯爵令息と、見た目は美少女なのに中身は大物すぎる銀髪未亡人が織りなす、痛快ざまぁコメディ!