本物の聖女であることを隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられていた。
強い精神力で乗り越えてきたアイリスは、冷酷無慈悲と恐れられる若き公爵のセピアが神殿に訪れた際のお世話係を命じられる。
それがきっかけとなりセピアと仲を深めたアイリスは、彼が内側に入れた人間にはとことん優しい人物だと知る。
まるで大切な家族──妹のように接してくれるセピアとの時間はアイリスにとって安らぎだった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアに求婚される。
しかしこの求婚は責任を取るためだけではなく、結婚の重圧から逃れるためでもあると勘違いしたアイリスは、『一年の婚約期間を経て互いの考えが変わらなければ結婚する』ことを了承する。
愛のない結婚になっても良きパートナーになれたら……と思っていたアイリスだったが、婚約後、セピアが豹変し甘く迫られる溺愛生活が始まって⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──