願いは、人を救う。
そして——壊してしまう。
この世界の人間は、生まれながらに身体の一部を欠いている。
その代わりに、機械の義肢で魔法を使うことが当たり前だった。
だが少女・莉愛は、その当たり前に違和感を抱いていた。
幼なじみの少年・カナタ。
口も鼻も持たず、機械の声で話す彼は——
まるで未来を知っているかのように振る舞う。
学園へ進学した莉愛は、仲間たちと出会い、
それぞれの想いが交差する日々を過ごしていく。
一目惚れと、気づかれない距離。
想いを待ち続ける、すれ違う優しさ。
名前を持たない、両片思いの関係。
——それぞれの想いは、まだ重ならない。
そして莉愛もまた、気づいてしまう。
——ずっと隣にいた彼を、
特別だと思い始めていることに。
しかしある事件をきっかけに、
その日常は崩れ去る。
それは——
何度も繰り返されてきた想いと、
変わらない結末へと辿り着く未来。
そして、自分だけが持つ“異質な力”。
すれ違う想いのままでは、
その結末は変えられない。
だから彼女は選ぶ。
——同じ願いを、重ねることを。
これは、
すれ違う願いを重ね、
運命に抗う恋と魔法の物語。