ブラック企業薬剤師として過労死寸前で働いていた佐倉ひかり(28)は、気づけば乙女ゲームの悪役令嬢「アメリア・フォン・ハーヴェスト」に転生していた。
シナリオでは婚約破棄からの辺境追放、そして破滅――のはずが。
「薬草? 畑? それ、私の得意分野じゃない!」
前世の薬学知識と現代の知恵を駆使して、アメリアは荒れ果てた辺境で薬草園を開く。
最初は誰にも理解されなかった彼女の取り組みは、やがて領民の病を癒やし、笑顔を取り戻していく。
冷徹な第二王子、森に住む賢者、そして――彼女を追放した元婚約者までもが、
なぜかアメリアと薬草園に惹かれて集まってくるのだった。
破滅フラグ?いいえ、それよりも大事なのは「今日も美味しいハーブティーを淹れること」。
そんな穏やかで前向きな、癒しのスローライフが今、始まる。