ジュリエッタは一人きり、辺境の森の中にいた。婚約者だった王子に裏切られ、濡れ衣を着せられて、追放されてしまったのだ。
しかし彼女はくじけなかった。薬師見習いだった前世の記憶と、転生してから学んだ魔法。その二つを武器に生き抜いてやるのだと、彼女はそう決意する。
手ひどい裏切りに傷つき、孤独に過ごしていたジュリエッタ。そんな彼女はある日、竜の子供を拾ってしまう。
仕方なく、彼女はその竜にミモザと名付け、共に暮らすことにした。
誰も立ち入らない森の中、ミモザと二人だけの暮らし。それはとても温かく、幸せなものだった。
けれどその暮らしにも、やがて終わりがやってくる。迷って悩んで、そして彼女は決断した。人間ではあり得ない長い時を、ミモザと共に生きていく、と。
これは、魔女と呼ばれるようになった元侯爵令嬢が、伴侶の竜と共に人間たちを優しく見守っていく物語。
(6章連載に先立ち、全編改稿しています)
(カクヨムにも連載始めました)