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取得日時> 2026-09-29 05:18:54
『世界史8点の私に、アリエノール・ダキテーヌは荷が重い』 ~未来の夫も息子も、ろくなことをしないらしい~
『悪役令嬢かと思ったら、実在の王妃でした。』
目が覚めたら、知らない部屋だった。
石造り。
薄暗い。
寒い。
なんか臭い。
そして知らない女の人が、私の顔を見て言った。
「アリエノール様、お目覚めですか?」
……誰?
どうやら私は、異世界の悪役令嬢に転生したらしい。
そう思った。
だが、待てど暮らせど魔法は出ない。
ステータス画面も出ない。
攻略対象らしきイケメンもいない。
その代わりに出てきたのは、
南フランス。
アキテーヌ公国。
フランス王太子。
十字軍。
…………これ異世界じゃなくない?
しかも私は、どうやら実在した「アリエノール・ダキテーヌ」という女性らしい。
知らん。
世界史なんて、中学時代の最高点8点だ。
フランス王太子との結婚を告げられても、
「ルイ? どのルイ?」
未来の知識で領地を豊かにしようとしても、
「水車って、どうやって作るんだっけ?」
知っている単語はあっても、作り方なんて知らない。
未来の文明を知っていたんじゃない。
ただ、それを使って暮らしていただけだった。
仕方がない。
とりあえず、祖父と父が守ってきたアキテーヌだけは、なんとか守ろう。
そう思って、その時できることを選び続けていたら――どうやら私は、想像以上にとんでもない人生へ足を踏み入れていたらしい。
ちょっと待って。
私、何か変な歴史踏んでない?
世界史8点の女が、ろくに歴史も知らないまま十二世紀を生き抜く。
歴史を変えるつもりはない。
そしてたぶん、変えられない。
これは、アリエノール・ダキテーヌという女の、
かなり長くて、かなり面倒くさい人生の話。

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