魔法こそが貴族の証。
これこそが王都の揺るぎない
"常識"
だった。
しかし、そんな常識の範囲を遥かに超える男が、
まさか辺境の村にいた。
その男こそ、村を守る唯一の法術師"エリオス・ルクレイ"
それも単に魔法が使えるわけではない。
その魔法は記録に存在しない、術式も存在しない......
まさに全てが"規格外"で"異端"
の力だったのだ。
ある日、家出中の公爵令嬢エリュシアと出会い、
彼女の策略で「偽の婚約者」として貴族社会に深入りしてしまう。
だが、そこは
"血統"
と
"魔法"
が優劣を決める世界。
彼を利用しようとする者、
排除しようとする者、
導こうとする者。
そして——
強大な権力で独占しようとする者。
彼もまた、自らの力の"重大さ"には気付いてはいない。
この力が
"この世界の理"
を揺るがす存在であることを──