「愚民ども、今日からこの俺が領主だ! ハーッハッハッハッハ!」
伯爵令息アルゲンとその婚約者エレンシアは、平民をそれぞれ「愚民」「庶民」と見下す大問題貴族バカップルであった。
しかも両親がバカンスに行くということで、アルゲンは町の領主になってしまう。
「あのバカが領主になってしまうなんて」と町民たちは絶望する。
しかし、アルゲンは――
「愚民どもの金で生活するなどみっともない」と税を下げてしまう。
さらには、数々のイベントを開き、施設を作り――とほぼ自分のためとはいえ意外にも町を盛り立てていく。
そんなアルゲンとエレンシアを、武術に長けたメイドであるサティは冷たい眼差しで見守る。
そして、やがて訪れる町の危機……。
アルゲンは傲慢ぶりとバカップルぶりを見せつけつつ、町のために力を尽くしていく。