故郷をモンスターに滅ぼされて十年。復讐のためだけに生きてきた少年、シオン・オーラは次期勇者と呼ばれるほどまでに優れた冒険者になっていた。そして迎えた才能を目覚めさせる儀式、『神託』。そこで女神を怒らせたシオンは勇者どころか何の才能もないと審判を下され、十年間の努力の結晶である魔力を全て奪われてしまった。
『神託』で勇者と認められたのはサボってばかりで何も努力をしてこなかった少年、ウォルツ。人々は真の勇者の誕生に沸き立ち、これまで次期勇者として人々を救い続けてきたシオンは見限られる結果となった。さらにウォルツと共にダンジョンに向かった結果、偽物の勇者は不要だと見捨てられダンジョンに捨てられてしまった。
努力に魔力に人望に居場所。十年間積み重ねた全てを奪われ絶望するシオンの前に魔王軍幹部を名乗る少女、クロが現れる。そしてこう伝えた。シオンには魔王としての才能があると。
ダンジョン内でクロと過ごしていく中でシオンは魔王としての才能を開花させ、モンスター特有の魔力に目覚めていく。一方人間の世界では勇者の才能に溺れ一切の努力をしなかったウォルツが何の役にも立たず、人類は滅亡の危機に瀕していた。
そんな中シオンは魔王軍幹部に成り上がり、内側から魔王軍を崩壊させていく。その姿に人々はシオンこそが真の勇者だと祭り上げようとするが、人類から裏切られたシオンは彼らを助けることはしない。シオンは自分や自分を救ってくれた仲間と共に幸せな日々を過ごしながら魔王への道を歩んでいく。
これは全てを奪われた少年が、それでも未来を掴み取る物語だ。