舞台は2080年。
人類の運命を変えた未知の物質「アルテミシウム原石」は、恐怖、怒り、執念、喜び、希望といった感情すらエネルギーに変える『アルテミス共鳴』を生み出した。その力を巡り、月面は最大の戦場と化す。
18歳の一般兵リーカス・ソノダは戦争を嫌い、恋人と平穏に暮らすことだけを願っていた。だがソ連艦隊の奇襲で日常は崩れ、仲間も恋人も失う。彼が生き残れた理由はただ一つ――「死にたくない」。
英雄になりたいわけでも、誰かを守りたいわけでもない。ただ生きたいという、泥臭く純粋な恐怖だけが彼を生還させた。
軍が与えたのは、最深部に封印されていた大型兵器「アルテミス・レイ」。負の感情を力に変える機体と共鳴したリーカスは、やがて「不朽の死神」と呼ばれるようになっていく。しかし戦うほど共鳴は彼の精神を蝕む。
そんな彼の前に現れたのは、路地裏で出会った孤児の少女、アイ。「寂しかった」それだけの理由で彼女を助けたことが、戦うことしか残されていなかったリーカスの人生を再び動かし始める。
これは、英雄になることを拒んだ臆病な兵士が、「死にたくない」という最も原始的な感情を力に変え、戦場を生き抜く物語。
死への恐怖はやがて、太陽すら焼き尽くす炎となる