「なろう小説で町おこし!」
──私が愛した人は、世界の破壊者でした。
◆ ◆ ◆
――「行方不明」の紙が風に揺れ、影がのびる。
スカートの裾がかすかに鳴り、耳に落ちる静かな囁き。
「翔太さま、かかわるべきではございません」
メイド服の少女──デルピュネー。
ふたりの背後で、ぬるり──水の気配。
振り向けば──誰もいない……。
そして、別の場所では──翔太の幼なじみ・美優。
美優が髪を耳にかけるたび、世界の焦点がそっと戻り、白く可憐な耳朶がのぞく。まるで闇の灯のように。
ふと……どこからともなく滴る“黒い涙“が、足もとへ忍び寄る。ぽつり。半拍遅れて、ぽつり──。
黒い涙の筋は、美優の影に触れる直前で止まり、夜だけが息をひそめ……日常と“幽世”の境目がほどけていく──
◆ ◆ ◆
四国最果ての港町・水城市。
霧が立ち込める夜、この町は異界“幽世(かくりよ)”とつながり、現実がゆがみはじめる。
人々の“影”のような存在『ゴースト』、そして伝承に封じられた神々や怪物たち――。
悪魔、魔王、大天使、邪神ロキ、メドゥーサ、孫悟空、イザナミノミコト、そしてベールゼバブ……。
古今東西あらゆる伝説が現れ、町を、そして宇宙そのものをも呑み込もうとしていた。
その町で暮らす高校生・北藤翔太と幼馴染の海野美優。
淡い恋心を抱きながら日常を過ごす二人だが、翔太には知られてはならぬ“宿命”があった。
――彼こそが、世界を滅ぼす「破壊者」だったのだ。
「翔太くんは、私が守る!」
「美優は俺が守る!」
切なく交わした約束は、国家をも操る秘密結社「国際魔術会議(ユニマコン)」の陰謀と、濃霧に潜む“真実”によって引き裂かれていく。
祈り、そして葬送──。
神と悪魔と人間が激突する、絶望と祈りのバトルロイヤル。
霧が晴れるその瞬間、残るのは――希望か、それとも宇宙崩壊の絶望か。
※……様々なホラー作品のオマージュも盛り込んでいます。
【週刊アスキーさんに紹介されました】
https://ascii.jp/elem/000/004/119/4119786/2/
(旧タイトル『ウジャトの方舟』)
【街の舞台モデル】
愛媛県八幡浜市(この『小説家になろう』作品で「聖地巡礼」などの町おこしを目指します!)