高校2年生・藤宮蒼太の隣の席になったのは、学年一の美少女・秋月凛。
クールで完璧、誰とも話さない高嶺の花――そう思っていたのは、放課後の廊下で立ち尽くす彼女に声をかけるまでのことだった。
「......職員室は、どっち」
致命的な方向音痴。料理は壊滅。野良猫の前で足が止まる。完璧な高嶺の花の正体は、俺の前でだけ解けてしまう「ポンコツな転校少女」だった。
「......別に、あなたのためじゃない」
「......たまたま席が近いだけ」
「......義理だから」
迷子のLINEが届くたび。
弁当の卵焼きが二つ減るたび。
秋月の「別に」が少しずつ嘘になっていくのを、たぶん、俺だけが知っている。
四季を巡る、一年の物語。
――絶対にデレない彼女の、デレ方を知らない不器用な恋。