王太子の婚約者として、
公爵令嬢アルテミシアは「完璧」であることを求められて育った。
感情を抑え、規則を守り、
誰よりも冷静に判断すること――
それが、国を支える者の務めだと信じていたから。
しかし、平民特待生の少女が王立学院に現れたことで、
その正しさは少しずつ「冷酷」と呼ばれるようになる。
優しさが称賛され、
正論が疎まれ、
空気によって罪が作られていく中で、
彼女は“悪役令嬢”として断罪された。
追放された先でアルテミシアが知ったのは、
王都が抱える、致命的な歪み。
そして彼女は決める。
もう、誰かの隣で正しさを引き受けるのはやめよう、と。
これは、
正しかったがゆえに切り捨てられた令嬢が、
王都に戻らず、
それでも世界を変えてしまう物語。
完璧であることをやめた日から、
彼女の人生は、ようやく動き出した。