【一章・完】
現代にダンジョンが現れてから早二年。
誰よりも早く、深くまで潜り続けた二ツ橋一愛(いちか)は、いつしか世界最強の地位を手に入れていた。
望むのは平穏と、唯一残された家族、妹との安定した生活。
そんな一愛は、とある事件を切っ掛けに一人の少女と出会った。
「──王になってほしいんです」
「断る」
少女の名前は、西園寺色蓮(いろは)。
ただひたすらに人を想う、眩しいほどに善良な一般人。
「──だから、お前が上に立て」
自分で言った言葉を守る為に、一愛は色蓮の手伝いをかって出た。
全世界にライブ配信される中、連戦、連戦、強制転移による更なる連戦。たまに無謀ともいえるほど、強敵との戦闘を強いる。
アドバイス? 自分で考えろ。
俺はただの“手伝い”だ。死ぬ瞬間だけは助けてやる。
これは、二ツ橋一愛が、一人の少女を探索者の頂点に立たせる物語。
──俺はこいつを、王にする。