「お前との婚約をここで破棄する!」
王太子の婚約者ヴィクトリアは、身に覚えのない罪で公衆の面前で断罪された。
母を殺し生まれた『呪われた公女』と蔑まれ、強大だった魔力も失い、婚約者や周囲から虐げられる日々。心をすり減らしながらも王太子妃としての務めを健気に果たす彼女の唯一の願いは「心がなくなってしまえば、楽になるのに」ということだけだった。
そんなある夜、偶然の事故からつかの間の自由を手に入れたヴィクトリアは、下町の酒場で名も知らぬ青年と出会う。初めて人の温かさに触れた一夜。それが、全ての始まりだった。
仕組まれた罠により婚約破棄を突きつけられ、絶望の淵に立たされた彼女の前に現れたのは、国を救った英雄『聖者』アーサー。そして彼は、王太子に向かってこう告げる。
「昨晩ヴィクトリア嬢と過ごしたのは、私です」
偽りの聖女と傲慢な王太子。全てを失った令嬢は、突然現れた聖者の手を取り、自らの運命と輝きを取り戻すことができるのか。どん底から始まる、逆転ラブストーリー。