「お母さん、今日も一緒に寝ていい?」
「もうすぐ高校生だろう。自立しなさい」
毎日甘えてくる女子高生の娘・ひかり。
そして部屋の隅で、私たち親子を尊そうに見守る「近所のお姉さん」ことひまり。
平和で騒がしい、女三人の温かい日常。
――けれど、ひかりは知らない。
この家族が、ひどく歪な『秘密』の上に成り立っていることを。
『ひかり』を産んだのは『私《男》』だ。
だが、私とひかりに血の繋がりはない。
血が繋がっているのは『ひまり』の方だ。
なぜ男の私が『ひかり』を産めたのか。
何故、私たちが『親子』になったのか。
それを語るには、少々時間がかかる。
これから語られるのは、狂っていて、不格好で、どこまでも温かい『家族』の物語。