「初級の身体強化しか使えない欠陥品め。我が一族の恥だ」
名門魔法剣士一族の次男ルシアは、多彩な魔法を操る優秀な兄と比較され、冷酷な父から追放宣告を受ける。学園でも一部の信頼できる仲間を除き、周囲からは無能と嘲笑される日々だった。
しかし、前世で器用貧乏のまま何事も成し遂げられずに死んだ後悔を持つルシアにとって、その宣告はむしろ福音だった。
「今世こそ、たった一つでいい。壁を越えて、頂点までやり抜く」
追放先の辺境で、ルシアは来る日も来る日もただ愚直に魔力を練り、剣を振り続けた。
何年も続く狂気的な反復練習。やがて極限まで圧縮された彼の身体強化は、常識を覆す異常な領域へと突入していく。
ある日、実績作りの簡単な討伐依頼で森を訪れていたエリートの兄たちが、突然変異の強力な上位種に遭遇し絶体絶命の危機に陥る。
そこに偶然通りかかったルシアは静かに剣を抜き、ただ一振りで魔物ごと大地を真っ二つに両断してしまう。
多彩な魔法も、絶対防御も関係ない。
これは、不器用な青年がたった一つの基礎だけで世界の常識を叩き斬り、最強に至る成り上がりの物語。