我は魔王。
勇者と戦い、世界を恐怖に陥れ、人類を滅ぼす――そんなことはせず、ただただ平和に暮らしていた。
時には人間の国から戦争を仕掛けられることもあったが、返り討ちにした後は追撃もせず、そのまま放置。
我、戦争嫌いだから。
魔王国を治め、山積みの書類に目を通し、部下たちに小言を言われながら過ごす。
そんな平和な日々を送っていたある日、我の前に一人の勇者が現れた。
しかも、さっきから我の首しか狙ってこない。
怖い。
この勇者、怖すぎる!
話を聞けば、勇者は召喚魔法によって異世界から無理やり連れてこられ、我を倒せば元の世界へ帰れると言われたらしい。
どうやら勇者も被害者のようだ。
仕方がない。
我が元の世界へ帰してやろう。
そう思っただけだった。
ただ、それだけだったはずなのに――。
「おめでとうございます! 元気な女の子です!」
…………。
我、異世界転生した!
これは、異世界へ転生した魔王と、かつてその首を狙っていた勇者が、幼馴染として再び出会う物語。
魔王と勇者。
二人の少女による、騒がしくも少し不思議な日常が始まる。