アナタも満腹面に堕ちませんか?
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「おなかすいた」
口減らしで森に捨てられた少女イーティアは、行き倒れて動けなくなった時に前世の記憶を思い出す。ついでに奇妙な鑑定能力に覚醒した。おかげでサバイバルに成功だ。
そして落ち着いてくると、なんだかこの世界に対して腹が立ってくる。
この世界は、定められたレシピ通りに、定められた料理を作って、定められた量を食べることしか許されない。
それ以外を口にしたことがバレたなら、罪人のレッテルを張られて罰されたり迫害されたりするような世界だ。
だから森に、美味しい恵みがたくさんあろうと、食糧難となり口減らしなんかに手を出すようなアホな世界。
生活を楽にするような道具も、お風呂や観光なども贅沢扱い。
イーティアの持つ前世の記憶が「それは絶対に許せへん!美味しい正義!」と燃え上がる。
目覚めた記憶と能力を使って美味しいや贅沢を広めてやろうと気合いを入れた。
先史文明の遺跡や遺物を探す冒険者カップルや、グミ菓子をつける変な樹グミドラシル。先史文明を滅ぼしたとされる喰魔王のチカラを宿したフクロウ。
手を貸してくれる仲間や、イーティア同様に世間から捨てられ逃げ出してきた人たちの協力を得て、1000年前の大都市跡に贅沢を広める為の拠点を作っていく。
その拠点で生まれた食べ物は食べた人は、元の世界に帰れなくなる。調査しに行った者、イーティアの討伐に来た者も、みんなみんな帰れない。
イーティアの言う満腹面、あるいは美食面に堕ちてしまうからだ。堕ちてしまえば、イーティアの味方となり、食の禁忌をものともしない悪しき咎人となってしまう。
だから人々は、彼女の作る料理を畏怖と驚異を込めてこう呼ぶ『悪堕ちグルメ』あるいは『悪堕ちレシピ』と。
「くだらん禁忌とかどうでもええ! この世界には美味しいが満ちてるんやって教えたる!」
これは――やがて人々から二代目喰魔王と呼ばれることとなる少女の物語。
これは――『君との笑顔で曇った世界を晴らす幻想譚』。
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