かつて裏社会で“夢幻黒葬”と恐れられた最強の処刑人、アシュ・ヴェルド。
制度改正によりソロ活動を続けられなくなった彼は、しぶしぶ大手組織《夜帷》へ就職することになる。
ところが面接で、組織の長である少女にその本質を見抜かれてしまい、与えられた役目は、まさかの“四天王最弱”の狂人枠。
地味すぎて売れない、というあまりにも理不尽な理由で、ナイフを舐め、ねっとり笑い、「殺しはタマンねぇぜぇ」などと喋る、気色の悪いキャラを演じさせられる羽目になってしまう。
本人はまったく不本意。だが上司命令なので逆らえない。最強でも、組織の中ではただのサラリーマンである。
だが、狂人を演じるうちに、アシュは気づいてしまう。
子供や弱者を食い物にする本物の外道を裁く時、自分の中にある危うい愉悦が目を覚ましていることに。
正義はある。
守りたいものもある。
けれど同時に、自分は悪党を壊すことを楽しめてしまう──。
普段は“四天王最弱”の狂人枠。
けれど、外道だけは絶対に見逃さない。
これは、組織では年下の女上司に振り回され、現場では必死に狂人を演じ、本物の悪を前にすると心から笑ってしまう男の。ちょっとおかしくて、かなり物騒なダークヒーロー譚。