公爵令嬢クラリスは、公開の場で断罪された。
王太子レオンハルトは罪状を並べ立て、「婚約破棄した“つもり”」で勝ち誇る――けれど。
宣言はしていない。
王の許可も下りていない。
つまり、婚約はまだ生きている。
“つもり”で世界が決まるなら、誰も苦労しない。
クラリスは泣かず、騒がず、ただ淡々と記録を取り、穴だらけの命令書と粗だらけの手続きを逆手に取る。
雑で短絡的な王太子が振り回すほど、矛盾は増え、証拠は残る。
神殿が二大派閥に割れ、熱病が広がり、祈りすら弾かれ始めたとき――
「誰が、何のために」盤面を崩したのかが見えてくる。
婚約が生きている限り、王太子も王家も、クラリスを“都合よく”切り捨てられない。
※本作には、物語上「聖女の泣き落としに屈しない男性」の描写や、BLを匂わせる表現が含まれます。
登場頻度も高いため、苦手な方はご注意ください。