「冷たく高慢な令嬢」
——その言葉とともに、エリゼは婚約者である第二王子から衆人環視の場で婚約を破棄された。しかし彼女が"冷たく"見えたのは、王子と彼の寵姫のために陰で奔走し続けていたからに過ぎなかった。
全てを失ったエリゼは、王家の命で北の辺境・ヴォルフ伯領へと赴くことになる。そこで彼女を待っていたのは、荒れ果てた大地と無口な辺境伯・レイナルトだった。
幼い頃に封じた植物魔法を取り戻しながら、エリゼはやがて荒野を緑の楽園へと変えていく。誰かのためではなく、初めて自分のために動く日々の中で、不器用な男の笑顔が、少しずつ彼女の胸を揺らし始めて——。