連合王国の首府タメシスから駅馬車で三時間の小さな村ファンテンベリー。
その村にある「ロビヤール女子寄宿学校」に、この頃奇妙な噂が立ってしまった。
新任のルテチア語教師ミス・ヴィリアーズが着任してから二か月のあいだに、村人三人が相次いで行方不明になっているためだ。
三人は数日姿をくらませるだけですぐに発見されたが、みなそのあいだの記憶を失っているのだという。
「あのルテチア女は人さらいの魔女だって話ですよ……」
タメシス在住の気鋭の諮問魔術師エレン・ディグビーは、警視庁からの依頼で、噂の真偽を確かめるべくファンテンベリー村へ向かうが……
★『令嬢諮問魔術師の事件簿』シリーズ四作目です。が、これ単独でも読めます。