「この世界は魔法がすべて。魔力を持たぬ赤子など、我が国の恥である」
王城での魔力鑑定で『魔力ほぼゼロ』と判定された赤ん坊のルークは、彼を庇った両親と共に辺境の町へと追放されてしまう。
しかし、前世で病弱だったルークは、健康な体で生きられることに大喜び。心優しい両親からの愛情を一身に受け、密かにストイックな特訓を重ねた結果――規格外の魔力を持ち、大岩を跳び越える規格外の物理最強少年へと成長していた!
一方、ルークたちが暮らす辺境の町にそびえ立つ冷たい塔には、一人の少女が幽閉されていた。
彼女の名はアイリス。すべてを見通す『千里眼』を持ち、優秀すぎるがゆえに、実の父親である国王に恐れられ、鳥籠に閉じ込められた孤独な王女。
親から愛されず、夜の闇に震える彼女。唯一の慰めは、草原を駆け回る「規格外に自由な少年」をこっそり眺めることだった。
決して交わるはずのなかった二人の運命。
しかし、七歳の誕生日を迎えた夜。遠くを見る魔法を覚えたルークは、塔の窓辺で涙をこぼす見ず知らずの少女の姿を見つけてしまう。
「あんなに綺麗な子なんだから、絶対に笑った顔の方がいい。」
親から見放され、冷たい塔の上で涙を流す少女。
親から愛され、自由で規格外な力を持つ少年。
これは、世界で一番優しい最強の少年が、ただ「君の笑顔が見たい」という純粋な想いだけで、物理で塔をよじ登り、孤独な少女の鳥籠を優しくぶっ壊す心温まる無自覚無双ファンタジー。