宇宙傭兵として、数多の戦場を渡り歩いてきた少女、セナ。ある日、謎の敵の攻撃によって愛機「ナイトホーク」ごと次元の裂け目に飲み込まれ、不時着した先は――剣と魔法が支配する、ファンタジー世界だった。
「魔法?
非合理的な現象だ」。
彼女にとって、魔法は解析すべきデータであり、魔物は駆除すべき害獣でしかない。プラズマガンはドラゴンの鱗を穿ち、義体による戦闘術は騎士団の剣を凌駕する。
元の世界への帰還が絶望的と悟った彼女は、まずこの世界で生き抜くことを決意する。その常識外れの科学技術は、時に人々を救い、時に畏怖の対象となり、やがては王国の勢力図すらも静かに揺るがしていくことになる。
これは、未来の兵器と知識を持つ孤独な傭兵少女が、全てが未知の世界を気だるげに、そして合理的に踏破していく物語。