未開の森で、ただ自らの「居場所」を守り抜きたかった俺が、帝国に傷つけられた者たちを救い、妻に迎えたら――いつの間にか大陸最強の技術国家を築き上げていた。
我々の平穏を脅かす帝国軍?
――ならば容赦はしない。「現代知識」と「龍の力」のすべてをもって、全力で排除する。
***
俺は、気がつくと異世界の未開拓地『始原の森』に転生していた。
手に入れたのは、伝説の『龍覚者』の力と、前世の記憶。
俺の望みは、世界征服でも英雄になることでもない。
ただ、愛する人たちと、静かで温かい暮らしを手に入れること。
そのために森を開拓し、温泉を掘り、快適な村を作っていた俺のもとに、傷ついた人々が逃げ込んでくる。
故郷を焼かれたエルフ、強制労働を強いられたドワーフ、そして国を滅ぼされた亡国の王女――。
彼らは皆、帝国の理不尽な野望によってすべてを奪われた「被害者」たちだった。
絶望の淵にいた彼女たちを救い出し、家族として迎え入れる。
やがて彼女たちは、俺にとってかけがえのない「最愛の妻」となり、俺を支える最強のパートナーとなっていく。
癒やされた彼女たちの才能と、俺の現代知識が組み合わさった時、辺境の村は大陸の常識を覆す超技術国家『エルム公国』へと変貌を遂げた。
だが、帝国はそんな俺たちのささやかな幸せすらも踏みにじろうと、大軍勢で侵攻を開始する。
「俺たちの平穏を邪魔するなら、容赦はしない」
これは、平穏を愛する心優しき龍覚者が、傷ついた仲間たちを守るため、傲慢な大国を実力でねじ伏せる、守護と反撃の英雄譚。