ブラック気味な会社で働く28歳の事務職OL、千秋(ちあき)。
彼女の唯一の生きがいは、休日のソロキャンプだった。
ある金曜日の夜。祖父の遺品であるアンティークのオイルランタンに火を灯し、アパートの勝手口を開けると……なぜかそこは、見渡す限りの大自然が広がる「異世界の森」に繋がっていた!
普通ならパニックになるところだが、生粋のキャンパーである千秋は歓喜する。
「えっ、完ソロの無料キャンプ場!?
予約なしで使い放題じゃん!」
ランタンの光が届く範囲は、強力な魔物除けの安全地帯(セーフティーゾーン)。
千秋はそこが危険な魔境であることにも気づかず、週末限定の異世界キャンプ生活をスタートさせる。
スキレットで焼く極厚ベーコンエッグ。
ホットサンドメーカーで作る絶品焼き肉まん。
メスティンで炊くツヤツヤの白米に、ダッチオーブンで作るホロホロのコーラ煮。
そんな反則的な現代の「キャンプ飯」の匂いに釣られて、腹ペコの槍使い、甘党の重戦士、堅物の女騎士など、異世界の人々が次々と結界に迷い込んでくる。
さらには、カセットコンロやLEDランタンといった現代の「キャンプギア」を古代魔法のオーパーツだと勘違いされ、いつの間にか異世界人たちから凄腕の魔女として崇められてしまい……?
これは、美味しいご飯と焚き火の温もりで、疲れた現代人と異世界の人々の心を満たしていく、優しくて美味しい週末スローライフの記録。
※シリアス・ざまぁ展開は一切ありません。
※深夜に読むと猛烈にお腹が空く可能性がありますのでご注意ください。