宇佐神礼央は男である。
髪と目の色、それから人の話を聞かない三人の姉を持つ以外は至って普通の男子高校生である彼は、ある日突然うっかり女装姿のまま異世界へ召喚され、聖"女"として迎えられてしまった。
頭から爪先まで誰がどう見ても完璧な美少女姿の異世界人。聖女召喚でそんな人間が呼び出されれば誰でも期待するのは当たり前。
だが彼は一つだけ、聖女になる上で大きな障害となる問題を抱えていた。
そう──宇佐神礼央は"男"なのである!
チートはない。最強でもない。女ですらない偽物聖女の少年は、思いつく限りの嘘を武器に、敵を欺き味方を欺き、異世界を生き抜いていく。
これは一人の少年による、生き残りをかけた嘘の物語。
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