レイム・レギレスは五代目破壊神として生まれた。
しかし祝福の声は少なかった。かつて世界を巻き込んだ大戦、その元凶が二代目破壊神であり、そのため地上の種族はもちろん同族たる神々からも忌み嫌われる世界だった。
一度は殺す案が出るも地上にある初代が築いた破壊神の領域に実質幽閉される形で両親と離れ、レイムは破壊神の従者によって育てられた。
十二歳となったレイムは自分が置かれている環境が異端であり、自分が否定されていることを自覚して苦悩する最中、世界は魔王軍の侵攻が各地で起こり、その魔の手はレイムの所にも伸び、溜まった不満の発散のために魔王軍を蹴散らすが、未熟から危機に瀕ししてしまう。
その時――眼前、閃光とともに現れたのは金髪の青年、その彼になんと一目惚れをしてしまう。
破壊神の少女と人間の勇者。それはどちらも同族から異端とされた同士であり、その両者の邂逅によってレイムは溜まっていた鬱憤を吐き出し、それならば自分の力を善行に使うと決め、まずは世界を揺るがす魔王を討伐するために領域の外へと歩き出した。
――『これは始まりを超える物語』
※スペースファンタジー要素は第四章から