「――左様でございますか。では、その首を落とす前にティータイムにいたしましょう」
人間界の王家から「魔族との架け橋」として魔王城に派遣された筆頭執事、アルベルト。
彼を待ち受けていたのは、殺気に満ちた四天王と、威厳を保つのに必死でボロボロになった女魔王ルナリスだった。
だが、アルベルトにとって魔族の脅威など、埃の積もった廊下や乱れた帳簿に比べれば些細な問題でしかない。
「魔王様、夜食のジャンクフードは没収です」
「将軍、その錆びた鎧を今すぐ脱ぎなさい。肌が荒れていますよ」
圧倒的な家政スキル、冷徹なまでの資産管理、そして至高のホスピタリティ。
アルベルトが指を鳴らすたび、崩壊寸前だった魔王城は洗練された宮殿へと姿を変えていく。
当初は彼を殺そうとしていた四天王たちも、至高の食事と完璧なケア、そして時折見せる執事の「男」の顔に、一人、また一人と陥落していき――。
これは、世界最強の執事が、魔王城のすべてを「お世話」して、いつのまにか世界を平和にしてしまう物語。