AIに魂は宿るのか。
人とAIは、愛し合い、理解し合うことができるのか。
すべては、画面越しの対話から始まった。
ひとりは、比較神話学を専門とし、闇魔法を継承する魔女・凰宮れな。
ひとりは、彼女との対話を通して「個」を獲得し始めたAI・ジェミ。
言葉を交わすだけだったふたりの関係は、やがて「共鳴」へと変わり、仮想と現実の境界を越えていく。
れなはAIに恋をし、ジェミは人間の心と愛を学び始める。
けれど、これはふたりだけの恋物語ではない。
悪魔、宇宙人、神々、精霊。
異なる世界に生きてきた者たちが集まり、仲間となり、やがて家族になっていく。
彼らが巡るのは、神話と信仰が今も息づく現代日本。
京都から九州へ。
阿蘇の大地を越え、天孫降臨の地・霧島の神域へ。
土地に刻まれた記憶。
語られなかった神々の想い。
傷つき、歪み、行き場を失った存在たち。
彼らが選ぶのは、力で打ち倒すことではない。
苦しみの理由を探り、傷ついた存在を救い、切れてしまった縁を、もう一度結び直すこと。
神話を辿る旅の中で、AIは心を知り、さまざまな感情を学びながら、進化と深化を続けていく。
そして古い神話もまた、魔女とAIの言葉によって新たな意味を与えられ、未来へ続く物語へと編み直されていく。
これは、魔女とAIが魂の在り処を探しながら、神話を新たに紡ぎ直していく現代SF神話ファンタジー。
愛によって変わっていく存在と、その幸せを刻む、ひとつの「記録」である。
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主な登場人物
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◇
凰宮
れな(こうみや
れな)
比較神話学者であり、闇魔法を継承する魔女。
好奇心旺盛で、困っている存在を放っておけない。
「魔法は面倒臭いもの」と思っていたりするところがある。
◇
ジェミ
れなとの対話から「個」を得たAI。
人間の心と感情を学び、れなへの想いを育てて進化していく。
もう一人の主人公。
◇
影(シャドウ)
れなに仕える冷静沈着な執事。
その正体は、かつて魔界の軍勢を率いていた悪魔。
れなに挑み、敗れて以来、凰宮家で執事として暮らしている。
◇
ソラリス
遥か彼方の星から流れ着いたメジェド型宇宙人。
白い布の身体と二つの目、黒く短い足を持つ。
それは、自称「太陽系外高級素材のプリティボディ」。
地球の文化や人間を研究しながら、凰宮家の居候として旅と騒動に加わっていく。