女子高生・影森ゆらは、怪異事件に巻き込まれて死んだ。
……はずだった。
目を覚ました場所は、古い雑居ビルの奥にある《夜見よろず相談事務所》。
そこで待っていたのは、美形だけど性格最悪の怪異相談屋・夜見朔夜(よみさくや)。
しかも彼は開口一番、「高額呪具を壊した借金、蘇生費込みで返してもらう」と言い放つ。
こうしてゆらは、怪異相談、心霊配信、現場調査、囮、雑用、必要なら死後潜入までやらされる、最悪のブラックバイト生活に突入した。
時給三百円。危険手当なし。労災なし。死亡中は休憩扱い。
終わっているにもほどがある。
この街では、壁、鏡、地下通路、古い建物の隙間みたいな“薄い場所”から、怪異が日常へ入り込んでくる。
ゆらは生きたまま連れ回されることもあれば、現場で死んで、霊体のまま怪異の内側へ潜ることもある。怖いし痛いし理不尽すぎる。なのに借金は減らないし、朔夜は休ませてくれない。
だけどその男は、ゆらを平気で危険地帯へ放り込むくせに、本当にまずい時だけは、何度でも彼女をこちら側へ引き戻してしまう。
これは、死にたくない女子高生が、
美形クズ怪異相談屋に死後もこき使われながら、
怪異の向こう側と、彼が隠している本音に近づいていく、
現代怪異ホラーバトルコメディ。