『闇の全てを明るく染めていた。おごそかで罪深い日の、雪あかりだった』
島根県白潟市旧八白郡南八雲町に存在する無人家屋の穴に、死体を遺棄したのは【怪物】と【美人】だった。死体には十三箇所もの刺創と無数の打撲傷が見受けられた。しかし内部所見による直接の死因は、後頭部強打により引き起こされた外傷性硬膜下血腫であった。
島根県警・捜査第一課の水草直己は、死体遺棄現場付近に居住する老婆から、ホシのひとりは左顔面に怪我を負っていたという目撃証言を入手した。【怪物と美人】【長い月】のキーワードを手がかりに、捜一の星野と共に捜査に当たる事となるが──。
本作は、出版社に紙で応募した新人ミステリー大賞の選考漏れ作品です。
【※加筆改稿したものを《ステキブンゲイ》さまにて連載中、開示しています】ひと葩でも読んで頂けましたら、跛鼈千里(はべつもせんり)であります。