エミリアは、父の再婚相手とその姉妹に疎まれて育ち、彼女の話し相手は飼っていた家畜だけだった。その中で唯一の救いは幼馴染であったが、彼にまで婚約破棄され、新たな縁談にと半ば追い出された形で家を出た。「婚約者」として訪れたはずが、門番の勘違いにより「料理人」として入城してしまう。
だが、彼女が踏み入れた城は「一度足を踏み入れたら、二度と生きて帰ることは出来ない」と言われる悪魔の城。
そこに住む「魔王」と言われる男。彼もまた孤独に生きる者であった。
特異な彼を気味悪がり、彼にまともに近づく者はいなかった。
彼の唯一心許せる自分と瓜二つの顔をした妹が亡くなって以来彼は心を閉ざし誰も寄せ付けなくなり、無となった。
そんな彼を心配する兄と、かなりぶっ飛んだ天然系なエミリアを妹のように心配するマーゴの四人の葛藤が渦巻く物語。
「この娘が現れなければ……」
「手に入らないなら、殺してでも?」
時が止まったままになっていた城が、エミリアの出現により再び流れ出す。
『日間ランキング部門別18位に入りました皆様の応援の賜物です。今後とも応援をお願いします2026.3.27』