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取得日時> 2026-04-29 12:24:05
「連載版」「命の番」ですって?大変ですわ、神殿に正式照会いたしましょう
「ヴィオレッタ・ハイゼンベルク公爵令嬢、貴女との婚約は破棄させていただく。私はミレーヌ嬢と『命の番』であると神託が下されたのだ」
 王太子ジルベルト殿下の宣言を、私は紅茶を一口含んでから受け止めましたわ。
 殿下と男爵令嬢の3ヵ月にわたる密会は、王宮の使用人なら誰もが知る公然の事実。
 ようやく公的に祝福されたわけですのね。
――ところで、殿下。神託の写しがミレーヌ嬢の手元にあると仰いましたかしら?
神殿法第三十四条をご存知ない方が、神託をお口になさるのは、いささか危のうございますわよ。
「アルベリク神官長様。一つ、お伺いしてもよろしいかしら」
 3ヵ月前から書簡を交わしておりましたあの方は、扇子の陰で、目を細めて笑われた。
「すべての準備は、整っております」
 これは、神託を盾に婚約者を奪った男爵令嬢が、自らの嘘で全てを失い、
神殿の門前で消えていく物語。
そして、白百合の祭壇の影で3年前から私を見ておられた神官長様が、
最後にたった一言、私の祈りに応えてくださる物語ですの。
※本作は同タイトルの短編の連載版です。

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