高校生活も慣れてきた。
だけど僕はずっと、隣の彼女が普通の人間だとは思えずにいる。それは黒髪の美少女、朝倉冴姫さんのこと。
恋愛感情とか、そういったものを抱くのもおこがましい。
そう思わされるほどの清廉さを秘める彼女だが、ときどき浮世離れしたというか、どこで得たのか分からない知識を僕だけに披露していた。
たとえば長距離の荷馬車での移動は腰にくる、とか。
たとえば薬草からのポーションの生成は精神にくる、とか。
どれも実際に経験しないと出てこない内容ばかり。
だから僕は、こう思っている。
朝倉さんは、どうやら異世界帰りの聖女様だ――と。