ある日突然、仕事中に見たニュースで知ったダンジョン出現。
待ちに待ったこの瞬間に私はその日に退職届を出して、クソみたいな労働に別れを告げる。
そして翌月、私は財産を纏めて処分して、愛車と共にダンジョンが多く出現した北海道へ向かった。
何でかと言うと、そこで念願のプレッパーズ生活をする為である。
だが現地に家を買ってから、私は驚くハメになる。
そこに居たのは……
ダンジョンを利用して荒稼ぎをしようとするヤクザや半グレ、ダンジョンを利権の源として独占しようとするクソ役人や業突張りのNPO共、マスコミによって飛び交う根拠不明の『安心安全』プロパガンダ。自縄自縛で武器使用も出来ない自衛隊と、相も変わらずはした金で老人猟師をコキ使おうとする警察に、無防備なままダンジョン内へ突撃して死ぬYouTuber。
山中の畑で大麻を栽培するジャマイカ人に、信者を使って金儲けしようとする韓国のカルト団体、製薬企業や軍需企業に雇われたアメリカ人の傭兵集団、ダンジョン内に住み着いて料理店を開く中国人、そして人間とモンスターと動物の区別が付かないサイコ美女ハンター……
突如湧いて出たモンスター保護団体に、精肉加工場前で騒ぐバカなヴィーガンの集団、戦争終結で余ったアサルトライフルや戦闘車両を売り歩く戦争帰りのロシア人達、立ち並ぶユダヤ人の闇金事務所と法律事務所、RPG-7でカチコミを掛けるイスラム教徒の不法移民集団……
ダンジョンとその周りの住人達には、現代日本社会のルールや習慣など全く通用しなかった。
そしてありがたい事に、刻一刻と終末の時は近づいていたのだった。
いや、もうこれ既に終末だろ。
※不定期連載です。