目を開けたらそこは銀のステージリンクだった。
粉雪の様なダイヤモンドダストのように白銀輝く魔法の雪砂(スノー・パウダー)が舞うステージリンクの上で、私は目覚めた。
希少な白銀星砂という物質が散り舞う、星の煌めきのような空間だった。
そこは競技勇者の舞台だった。
魔王を討伐した勇者の名はスポーツ、戦士の名はアスリート、そして魔法使いの名はスコア――
かつての英雄たちが『競技』として語り継がれる世界――
その昔、魔王は一国と同等の巨大な石を空遥か彼方から落とせる魔法、国土級巨石落とし、使えし者。
かつて魔王がいたあの地獄の時代、魔王の脅威が去ってから何百年以降の今は平和な世界。
その歴史、教訓を絶やさぬように競技化され継承され続けている。
魔物、魔族が具現化した虚構の敵(仮想敵)に立ち向かう競技。
それが【競技勇者】
単に強いだけでなく、オーケストラの演奏に合わせたり、美しく立ち回ったりする必要がある。
オーケストラの奏でる音、魔法により勇者の物語が再現されるステージリンク、具現化され実体があるモンスターを華麗に倒すのは大前提で評価と採点で勝負が決まる。
再び魔王が現れた時に備え勇者の歴史や教訓を絶やさぬように各国、国を挙げて競技化され継承し続けている。
いつか来る再来への備え、神事、訓練としての魔法の世界競技。
最新魔法技術のサンド・アート・シミュレーションによる再現。
この「限りなく本物に近いフェイク」と実際に戦う。
砂がモンスターの形を成し、倒されると光の粒となって霧散する。
「評価」と「採点」。
これにより各国永続化できている。
『逃走演舞』
何者かが魔王の封印を解こうと暗躍。
国家機密、内部の者しか知り得ない情報を使い数々の封印が解かれる事件発生。
目黒
一子(メグロ
イチコ)は、この世界に異世界転生した。
この世界では予言の書が絶対。
何者でもなかった目黒は予言の書により、捜査機関【見守り隊・特命係別室】に配属された。
異世界転生者の目黒に捜査員専用の水晶板等の装備一式が支給され、市民としての身分も付与。
勇者になるには、才能がある者が努力するのは最低限で、運も必要。
さらに、この世界では予言の書次第で全て決まるので選ばれなければ全て水の泡。
予言の書によると、魔王復活の確率がここ数年急上昇している。