気がついたら、見知らぬ森の中でした。
白い手製のタロットカードが突然光り、
気がつけば“星が語る異世界”にひとり。
占いの館でひっそりと働いていた占い師・百瀬しらたま。
現代日本で培った“占術”は、実は異世界では【ギフト】という特別な力と認識されていて――？
行き倒れ寸前で助けてくれたのは、下町の小さな宿の優しい女将さんと、無口な旦那さん。
異世界転移の理由も、元の世界への帰還手段も分からない。
それでも、「占いで誰かの役に立てるなら」……
これは、異世界の下町を舞台に、
星を詠み、縁を結び、誰かの心をそっと照らす、
ひとりの占い師の物語。