――世界が殺しにくる。抗うオレを傍観する天使は、食事の時だけ可愛いんだが――
牢獄で目覚めた元一流冒険者イズルは、天使リュシエルから小説世界の悪役令息ジュリアンに転生したことを告げられる。
小説での悪役令息は、朝に断頭台で処刑される運命らしい。
レベル1の肉体は、小さな鉄格子と頑丈な扉の部屋に幽閉されていた。
「まずいんじゃね?」
「だからさっきからそう言ってるでしょ」
天使は死の見届け人としてイズルに死を求める。
口ゲンカをしながらも、イズルは脱獄を決意し逃走する。
だが死ぬべき人物が生存したことで、『ジュリアンの死』が宙に浮いてしまった。
勇者が正規ルートを歩むためには、『ジュリアンの死』を確定させる必要がある。
前世の技術を駆使して、死に抗おうとするイズルの前に、やがて世界を救う勇者が現れる。
勇者に同行することを拒み、イズルはリュシエルとの旅を選択する。
再度、勇者との運命が交錯したのは、イズルが伝説の剣を入手してからだった。
世界が、偽りの勇者となったイズルに『勇者のために死ぬこと』を望む。
「私、最後まで見届けるからね、イズルの生き様ってやつをさ」
天使は寄り添いながら冷徹にイズルの死を待つ。
世界に向けてイズルは語る。
「勘違いするなよ」
この命は弄ばれるためにあるわけじゃない。オレの物語の主人公はオレだ。
たとえ、世界にとっての悪役でも……
※カクヨム様にて【先行配信】しています。
作品リンク
https://kakuyomu.jp/works/822139840478247182
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※最終話まで完成済。
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